"平家物語. 概要"

昔々、遠い日本に、たいらという力のあるかぞくがいました。たいらはへいけともよばれていました。このかぞくは、その時代で一番強くて、えいきょうが大きかったです。彼らのおかね、ちから、めいせいは国中にひろがっていて、おおくの人が彼らのちからをこわがっていました。でも、歴史ではよくあることですが、たいらのうんめいはかつことばかりではなく、かなしいまけることもありました。これは、たいらのいえがどうやってつよくなり、そしてどうやってよわくなったかのはなしです。

ちからをもとめるたたかい、あい、ほこり、そしてさけられないかなしいできごとについてのはなです。

たいらかぞくは、たいらのきょうてきなリーダー、たいらのきよもりのおかげで、さいこうのちからにたちました。きよもりは、ぶしのいえにうまれ、こどものころからたたかいのうみにしゅうしゅうしていました。かれはゆうきがあり、やるきにみちていて、きまったひとでした。こどものころからいろいろなたたかいにさんかし、すぐにすばらしいへいしとしてしられるようになりました。おおきなたたかいできよもりは、きめつなしょうりをおさめ、みまもりをえました。こうして、たいらかぞくはすばやくちからとえいきょうをふやしていきました。

きよもりは、ただのへいしのリーダーではありませんでした。かれはじょうずなせいじのうし。ほかのえいきょうのあるかぞくとれんけいをし、くにのなかでじぶんのちいきをたかめていきました。とてもたいせつなことのひとつは、きよもりのむすめをわかいていこうとけっこんさせたことです。このけっこんで、たいらかぞくはていこくのかぞくのいちぶとなりました。このけっこんから、すぐにていこうのそだてていけんがうまれました。これで、たいらかぞくはただのへいしのちからではなく、ていこうのおうのなかでまえもってえいきょうをもちました。これはさいこうのちからにみえましたが、ちからとともに、ほこりとおごりもきてきました。

きよもりは、きびしくてゆるしのないおさむりになりました。かれはたたかいをたえることができず、じぶんのちからをあぶれるあらゆるものをころしていました。だれがかれにたたかおうとしても、きびしいばつをうけていました。かれのやりかたのせいで、てきがどんどんふえるばあいがありました。かれのれんけいやくがあっても、かれのみちがただしかどうかにうたがいをもつひともいました。むかしはたいらのちからにかんどうしていたひとたちが、きびしくてふせいほうになったために、いやしはじめました。

しかし、ちからがあるにもかかわらず、たいらかぞくはいないないとがいのもんだいにむきあうようになりました。かぞくのなかで、きよもりのやりかたやぜったいのちからをもとめることにまけないひとたちが、わかれはじめました。このないないのぶんぱいが、たいらかぞくをよわめて、がいからのあらそいにたいおうしにくくしました。

むこうがわでは、もうひとつのちからのあるかぞく、みなもとのかぞく、げんじともよばれるミナモトがいました。たいらにたたかいでいくつかまけたあと、ミナモトのひとたちはかくれざるをえず、じゆうをうしないでいました。でも、かれらはおそれやむねんをわすれず、むしゃのこころでリベンジをめざしていました。そのなかでも、わかいぶしミナモトのよりともがひときわひかりだっていました。かれはたいらにおいわれたあとも、じぶんのかぞくとかぞくをむししたいとちかいました。よりともはひみつにすてきょうきをあつめ、じぶんのちからをたかめて、ちゅういなときまつました。

そのとき、たいらかぞくのなかではおおきなへんこうがありました。きよもりのいもうと、たいらのむらさきは、かれのリーダーのきびしいやりかたにいやしさをあらわしました。かれは、もっとへいわなみちをさがそうとしましたが、かれのためしはさっかいにあいました。これにより、かぞくのわかれはもっとふかまり、たいらかぞくのいちぶうんどうがよわまり、がいからのあらそいにたいおうしやすくなりました。

むかしはたいらかぞくにかんどうしていたひとたちが、いまはふかんどうやふあんをかんじはじめました。きびしいきょりょくのせいで、ふつうのひとたちはさみしいきもちになり、ほかのかぞく、たとえばミナモトにささえをもとめるひとがふえました。これにより、たいらにたいするちからをあつめるためのきょうごうのきかいがそだちました。

よりともは、じぶんのときがきたことをみとめて、たいらのいえにたいするこうげきのそしきをはじめました。かれのタクティクスはこまかくてこうかてきでした。よきょうをうごかして、ほかのかぞくとれんけいをつかって、てきをよわめました。かれのいもうと、ミナモトのよしつねは、すばらしいせんりゃくとへいしとしてみたされました。いっしょに、かれらはたいらにたいするこうこうなさぎょうをおこない、だんだんとちいきとしげんをていどんしました。

ひとひとひととたいらかぞくはよわくなっていきました。たいらのぐんしゅうは、つよかったけれども、みなもとのちからにむこうとうしきではもうまかなかったのです。たいらにたいするかぎてきなたたかいのひとつが、かわたたかいでした。よしつねは、こまにかかれていたむずかしいやまをこえて、よくよみがえり、たいらのいえにとうめんきました。このうごきはたいらにとってじゅうようなうちでした。かれらのいえはよわまり、ぐんしゅうのたていがくをくずし、ぐんしゅうのきもらるむろいをたたきました。

それでも、たいらかぞくはたたかいをつづけました。かれらはじぶんたちのいえをきょうかしようとしましたが、つかれとしげんのしつぼうがとびきっていました。きよもりは、じぶんのちからがよわまっていくのをかんじて、もっときびしくなりました。それにより、かれにたいするいやしみはさらにふえていきました。かれのこうどうは、まえはともだったひとたちからもささえをえらぶことをむずかしくしました。

たいらかぞくにとって、もっともかなしいきかいは、だんのうらのうみのたたかいでした。かぞくののこったひとたちは、さいごのたたかいをおこなうためにふねにあつまりました。そのなかには、きよもりのおむすめのむすこ、ろくさいのていこうあんとくがいました。かれらはあらゆることをして、あんとくをまもろうとしていました。たたかいはきびしく、けつじょくで、おおくのていらのぐんしゅうがきょうとうしました。みなもとのかぞくがかれらをそうごしましたが、みなもとのぐんしゅうはたたかいにあらそい、たいらはおとりにまりました。

かつやくがむずかしくなったとき、おうさまのあかあさん、たいらのいえのふるいていきのじょせいは、たいへんなけっていをしました。かれ女は、あいてがむすこのていこうをおさめることをあきらめず、きょうをまもるために、むすこをてにとりました。かれ女は「ひかりをかえるほうが、はざまをおさめるよりもいい」といい、みずにとびこんでしまいました。かれ女のあとに、たくさんのたいらのひとたちがついていき、まもることをさけびました。

このゆうきあるじゅんじょで、たいらかぞくはおわりました。かれらのあいてであるミナモトかぞくがさいごのしょうりをえました。よりともはさいしょのしょうぐんとなり、にほんのれきしにあたらしいじだいをひらきました。でも、しょうりにもかかわらず、たいらかぞくのはなしはひとたちのこころに、ほこり、きびしさ、そしてひかわれないへんかについてのかなしいおしえとしてのこりました。

たいらのはちのあと、ミナモトかぞくはにほんのちからをしゅうちょうしました。よりともはしょうぐんとなって、じぶんのちからをきょうかし、あたらしいせいぎょのシステムをつくりはじめました。かれはくににへいわとあんていをもたらそうとしましたが、かれのうしろにはまえのものがまだありました。たいらかぞくのいえは、めずらしいきおくとして、じぶんのちからとまけないこころをわすれないようにしました。

たいらかぞくのはなしは、にほんのぶんかやげいじゅつにもえいきょうをあたえました。かれらのかなしいさだめは、たくさんのぶんがくやげいじゅつのさくひんにやくわりをしました。たいらかぞくのゆうきとかなしいはなしは、せだいからせだいへとつたわり、ひとたちにおんちょう、ひだん、そしてうつくしいひかりをまつことのたいせつさをおしえました。